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暗号資産が今後の資産形成に役立つ理由

「老後資金が不安」「預金だけで本当に大丈夫なのかな…」
そんな気持ちから、投資や資産形成について調べ始める人が増えています。

その中でよく話題に上がるのがビットコインをはじめとした暗号資産(仮想通貨)です。
2024〜2025年にかけては、米国でビットコイン現物ETFが承認されるなど、暗号資産が「投機」から「投資対象」へと少しずつ認識が変わりつつある流れも出てきました。

とはいえ、
「値動きが激しすぎて怖い」「資産形成に使えるイメージがない」という声も多いのが正直なところだと思います。

この記事では、暗号資産が今後の資産形成にどう役立ちうるのかをテーマに、
メリット・リスク・活用の考え方を、初心者にもわかりやすく整理して解説します。

投資をすすめる記事ではなく、暗号資産を「資産形成の選択肢のひとつ」として冷静に理解することを目的としていますので、
ぜひ最後まで読みながら、ご自身の判断材料にしてみてください。


目次

暗号資産が資産形成の選択肢として注目されている背景

世界的に「デジタル資産」が当たり前になりつつある

ビットコインが誕生したのは2009年。当初はごく一部の技術コミュニティでのみ話題でしたが、その後10数年のあいだに、暗号資産市場は急速に拡大しました。

特にここ数年は、

  • ビットコインやイーサリアムなど主要通貨の時価総額が拡大
  • 暗号資産を扱う上場企業や金融機関が増加
  • 米国でビットコイン現物ETF(上場投資信託)が承認され、市場からの資金流入が進んだ

といった動きもあり、「デジタル資産」という新しい資産クラスが世界の投資家に認知されつつある状況です。

インフレや低金利環境の中で、リスク資産への関心が高まっている

世界的に物価上昇(インフレ)が続く中、
預金だけでは実質的な購買力が目減りしてしまうことが、多くの人の関心事になっています。

そのため、

  • 株式や投資信託
  • 金(ゴールド)などのコモディティ
  • 不動産・REIT
  • そして暗号資産

など、ある程度のリスクを取りつつも、将来の資産形成につながる可能性のある選択肢を検討する人が増えています。

暗号資産はその中でも、伝統的な資産とは性質の異なる新しいリスク資産として、ポートフォリオの一部に組み入れる動きが出てきています。


暗号資産が資産形成に「役立つ」と考えられる主な理由

理由1:長期的な成長ポテンシャル(ただし保証ではない)

過去の価格推移を見ると、ビットコインをはじめとする主要な暗号資産は、短期的には大きく上下を繰り返しながらも、長期スパンでは高いリターンを記録してきました。

もちろん、過去の実績が将来を保証するわけではありません
しかし、

  • ブロックチェーン技術の普及やWeb3の拡大
  • 機関投資家や上場企業の参入
  • 法整備・規制の整備による透明性向上

といった要因から、長期的な成長余地のある資産クラスのひとつとして注目されているのは事実です。

資産形成では、「短期の値動き」より「長期トレンド」を見ることが重要です。
暗号資産はボラティリティ(価格変動)の大きさと引き換えに、
うまく付き合えば高い成長ポテンシャルを持つ可能性がある、という位置づけで考えられます。

理由2:伝統的な資産との「分散効果」が期待できる

資産形成の基本は分散投資です。
株式・債券・現金・不動産など、性質の異なる資産を組み合わせることで、特定の市場が不調でも、全体としてのダメージを抑えることを目指します。

暗号資産は、

  • 株式や債券とは異なる値動きをすることがある
  • 24時間365日、世界中で取引されている
  • テクノロジーや規制動向の影響を強く受ける

といった特徴があるため、伝統的な資産クラスと完全には同じ動きをしません

そのため、ポートフォリオのごく一部に暗号資産を組み入れることで、全体のリスク・リターン特性が改善する可能性があると指摘する専門家もいます。

ただし、暗号資産比率を高くしすぎるとリスクが急激に高まるため、
あくまで「スパイス的な位置づけ」で考えるのが現実的です。

理由3:インフレや通貨価値下落へのヘッジ候補として

ビットコインは、よく「デジタルゴールド」と呼ばれることがあります。
それは、発行上限があらかじめ決められており、中央銀行の裁量で無制限に増やせないという特徴があるからです。

世界的な金融緩和やインフレの中で、「法定通貨の価値が目減りするリスク」に備える目的で、資産の一部を金やビットコインなどに分散するという考え方があります。

もちろん、ビットコインが「必ずインフレヘッジになる」と言い切れる段階ではありませんが、少なくとも「法定通貨とは性質の異なる資産」として、分散先の候補になり得る存在です。

理由4:少額から24時間、世界の成長テーマにアクセスできる

暗号資産の特徴として、

  • 少額から購入できる(取引所によっては数百円〜)
  • 24時間365日、世界中どこからでも取引できる
  • Web3・DeFi・NFT・メタバースなど、新しい領域と密接につながっている

といった点があります。

これにより、従来なら個人投資家がアクセスしづらかった先端テクノロジー領域の成長に、比較的手軽に参加できるという側面があります。

資産形成の観点では、「未来の成長分野」に少しずつエクスポージャー(値動きへのさらされ具合)を持つ手段のひとつとして、暗号資産を位置づけるイメージです。


一方で、暗号資産ならではのリスクも正しく理解しておく

リスク1:ボラティリティ(価格変動)が非常に大きい

暗号資産は、株式や為替と比べても、価格変動が非常に激しい資産です。
短期間で大きく上昇することもあれば、短期間で半値以下になることも珍しくありません。

そのため、

  • 「短期で利益を出そう」と無理にレバレッジをかける
  • 生活費や、近い将来必ず必要になる資金まで投じてしまう

といった行動は資産形成という観点からは非常に危険です。

あくまで、 「長期で少しずつ」「最悪ゼロになっても生活に支障が出ない範囲で」 という前提を崩さないことが重要です。

リスク2:規制・税制・会計ルールの変化

暗号資産はまだ歴史の浅い分野であり、各国の規制や税制が発展途上です。
日本でも、暗号資産は原則として雑所得として扱われ、他の所得と合算して総合課税されるのが一般的です。

今後の法改正や税制改正によって、投資家の負担やルールが変わる可能性がある点も、リスクとして認識しておく必要があります。

リスク3:ハッキング・紛失などのセキュリティリスク

暗号資産の場合、

  • 取引所のハッキングや破綻リスク
  • ウォレットの秘密鍵(シードフレーズ)を紛失・漏洩するリスク

といった、デジタル資産ならではのセキュリティリスクも存在します。

対策としては、

  • 金融庁登録の交換業者を利用する
  • 長期保有分はハードウェアウォレットなども検討する
  • シードフレーズやパスワードの管理ルールを徹底する

など、「自分の資産は自分で守る」意識が、従来の金融商品以上に求められます。


資産形成で暗号資産を考えるときの基本スタンス

1. あくまで「全体ポートフォリオの一部」として考える

暗号資産を資産形成に取り入れる場合、
「暗号資産だけで資産形成を完結させる」のではなく、

  • 現金・預金
  • 投資信託や株式
  • 年金・保険
  • そして暗号資産

といった全体のポートフォリオの中のごく一部として位置づけるのが現実的です。

人によってリスク許容度は異なりますが、「全資産の数%〜一桁台の割合」など、自分なりの上限を決めておくと、
暴落局面でも「資産全体が崩れたわけではない」と冷静に判断しやすくなります。

2. 積立・ドルコスト平均法を活用して、タイミングリスクをならす

暗号資産は値動きが激しいため、「いつ買うか?」というタイミングを正確に当てるのは、プロでも難しいと言われます。

そこで、資産形成目線では、

  • 毎月・毎週など一定額を積み立てる
  • 高いときも安いときも機械的に購入していく

といったドルコスト平均法を使い、購入タイミングを分散させる方法がよく用いられます。

これにより、「高値掴み」のリスクを完全にはなくせないものの、
長期的には取得単価を平準化する効果が期待できます。

3. 情報に振り回されず、「自分のルール」を決めておく

暗号資産の世界は、SNSやニュースで日々さまざまな情報が飛び交います。
「今がチャンス」「このコインが次に爆上がりする」といった煽りも多く、感情に流されやすい環境でもあります。

資産形成を目的とするなら、

  • どの銘柄にどれくらい投じるか
  • 最大でどの程度の損失まで許容するか
  • どんなときに売る(あるいは売らない)のか

といった自分なりのルールを事前に決めておくことが大切です。

また、短期トレードなのか、長期保有なのかというスタンスもあいまいにせず、「長期で持つと決めた分は、ニュースに一喜一憂しすぎない」など、メンタル面のルールも決めておくとブレにくくなります。


暗号資産が「自分の資産形成」に合うかを考えるためのチェックポイント

チェック1:生活防衛資金や近い将来必要なお金は確保できているか

暗号資産にかぎらず、リスク資産への投資を考える前に、生活防衛資金(数ヶ月〜半年分の生活費)や、「数年以内に確実に使う予定のお金」をしっかり分けておくことが大前提です。

もしこれらが十分でない状態なら、暗号資産よりも先に貯蓄・保険・公的年金の理解などを優先した方が良いケースも多いでしょう。

チェック2:大きく値下がりしても「ゼロにはならない生活設計」ができるか

暗号資産は、最悪の場合「ほぼ価値がゼロに近づく」可能性もゼロではありません。
その前提に立ったうえで、

  • 暗号資産が半分以下になっても、生活や将来計画が破綻しないか
  • 価格が大きく上下しても、精神的に耐えられる範囲の金額か

といった点を、冷静にセルフチェックしておきましょう。

チェック3:仕組み・リスク・税金について「最低限の理解」を持てているか

「よく分からないけど、儲かりそうだから」という理由だけで暗号資産を買うと、ちょっとした値動きで不安になり、高値掴み&安値で売ってしまうという、典型的な失敗パターンにはまりがちです。

少なくとも、

  • どんな仕組みの上に成り立っている通貨・プロジェクトなのか
  • どんなリスクがあり得るのか
  • 利益が出た場合、どう課税されるのか

といった基本的なポイントを、自分の言葉で説明できるレベルまでは、事前に学んでおきたいところです。


まとめ:暗号資産は「資産形成のメイン」ではなく「選択肢のひとつ」として向き合う

本記事では、暗号資産が今後の資産形成にどのように役立ちうるのかをテーマに、

  • 注目されている背景
  • 資産形成に役立つと考えられる理由
  • 暗号資産ならではのリスク
  • ポートフォリオに組み入れるときの考え方

を中心に整理してきました。

ポイントをまとめると、次のようになります。

  • 暗号資産は、長期的な成長ポテンシャルを持つ一方、ボラティリティも非常に高いリスク資産
  • 株式や債券とは異なる値動きをするため、分散投資の一部として活用されるケースが増えている
  • インフレや通貨価値下落へのヘッジ候補として検討されることもあるが、万能ではない
  • 資産形成の観点では、全体ポートフォリオのごく一部に、長期・少額・ルールベースで取り入れるスタンスが現実的

暗号資産は、うまく活用すれば、これからの資産形成にとって心強い選択肢になり得る存在です。
しかし同時に、大きなリスクも抱えた「尖った資産」であることも事実です。

大切なのは、「怖がって一切見ない」でも「過度に期待して全力投資する」でもなく、自分の状況・価値観・リスク許容度に照らし合わせながら、冷静に距離感を決めていくことです。

そのための判断材料のひとつとして、この記事の内容が少しでも役に立てば幸いです。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の暗号資産の購入や投資行動を推奨するものではありません。
実際に投資を行う際は、最新の公式情報や税制を確認し、ご自身の判断と責任で行ってください。

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